【研磨仕上げ】広島から世界へ。エキスパートが語る業界事情と違和感。
モノリスグループでは「技術革新 -Innovation by Technology-」というスローガンを掲げ、機械による施工方法の研究、職人の働き方改善のためのアプローチを実践しています。
スローガンを実現すべく、この度、広島に拠点を構え、コンクリート床の下地施工・研磨仕上げにおいて、世界との結びつきが強く長年研究を重ねる、有限会社わかばやし装飾のアライアンスパートナーとなることが決定しました。
わかばやし装飾では、オリジナルのダイヤモンド工具ブランド「研磨魂」を展開。モノリスが普及する「コンクリート研磨110番・119番(コンクリート研磨エキスパートとしての商標)」とタイアップすることで、遅れをとる日本のコンクリート床施工に改革をもたらします。
さて、「わかばやし装飾」は店舗・住宅・工場などの床下地・研磨仕上げをメインとした歴史ある会社であり、地域を代表する企業100選に選ばれるほどその品質は折り紙付きです。
代表の若林さんは建設業界の「流通」を抜本から見直し、機械本体や消耗品であるパーツの仕入れ先を開拓。中国メーカーとの商品開発、使い方に合わせた改良まで、たった一人で取り組んでいらっしゃるのです。

有限会社わかばやし装飾
代表 若林亮輔様

今回は若林さんとモノリスグループの協業の経緯や研磨を取り巻く複雑な事情など、左官業界の知られざる真実が満載の記事となっております。
左官デビューは小学5年生。結婚式場の床仕上げからスタート


小さい頃から現場について行って手伝いをしていたので、自然の流れで父の会社を継ぎました。
小学校高学年の頃には、お小遣い稼ぎのような感じで簡単な仕事をやらせてもらっていましたね。時代は変わり、今では考えられないことですが。(笑)
最初に床を削ったのは、小学5年生の夏休みです。結婚式場の大広間の床工事だったのですが「削っとけ」と言われ、砥石の刃をつけたタフポリッシャーという研磨機で削りました。




父は内装屋でありながら研磨機を導入したり、掃除機ではなく埃がたたない集塵機を使ったりしていましたが、内装屋としてここまで設備投資をするのは珍しいと思います。
このように自分にとって当たり前だった研磨ですが、やがて仕事を継ぐようになって日本に研磨をしている人が少ないことにびっくりしました。


「MADE IN〜」と記載があるわけですが、例えばドイツ製の研磨機にしても中身は中国製だったりするんです。だから、研磨機の流通は一体どうなっているんだという純粋な疑問が沸々と湧いてきまして、それからとことんメーカーを調べるようになりました。
中国の研磨機メーカー「シンイー」との出会い、その後の関係性とは


それから、使っていてわからないことや疑問などは直接問い合わせて質問をしました。
あちこち問い合わせたのですが、特に中国のXINGYI(以下、シンイー)というメーカーの応対が丁寧で、こちらが質問したことに対してきちんと受け答えしてることに感動してしまいました。




しかし、後から聞いたのですが、シンイーとしても僕からの質問を会社のナレッジにしてくれていたようで、シンイーの営業やエンジニアの間では「この人に説明できれば誰を相手にしても大丈夫」ということになっていたらしいですよ。
そんなこんなで日本人のうるさい顧客として始まった関係ですが、ある時シンイーが日本で商品を展開させていくためにどうしたらいいかって相談をくれたのです。
相談というか、ほとんどスカウトですね。日本におけるマーケティングのコンサルタントになってくれないか、って。



まず、自社に導入する際に全て自分でやっていました。日本の施工業者でここまでやっている会社はないと思いますよ。


たまたま知り合いになった船会社があるんですけど、福山の港に物が直接下ろせる段取りができるようになって、最短距離でタイムリーにものが入れられるようになりました。

シンイーの社長がよくおっしゃるのが「床産業に関わる工事業者人々の全てが健康で楽しく仕事をしてほしい」ということなんですね。
床産業は埃粉塵によって塵肺問題などがつきまといますが、だからこそシンイーは年間を通じてものすごい予算をとって寄付やチャリティーをやっているんです。
そういうブレない姿勢もシンイーに協力したいと思った理由の一つです。
モノリスと若林さん、それぞれの抱える課題に共通するもの


シンイーは日本展開を希望しているので、シンイー本社で特別に日本人に向けたセミナーを開催したのですが、そこに川村さんがいらして、シンイーの方と名刺交換したみたいです。

それから程なくこちらからモノリスさんを訪れて商品説明をしたり、お互いのビジネスについてざっくばらんに話をしたりして、お互いの持っている課題感などが似ていたこともあり、トントン拍子で関係構築ができましたね。



モノリスでは、これまでヨーロッパ製の研磨機を使っていましたが、価格は高いし、納期は遅いし……純正とはいえ欲しいときに手に入らないというのはいかがなものかと思っていました。
だから、新しい取引先を見つけないといけない状況ではあったのです。

「うちはいいブランドだから、うちのを使えば間違いない」という姿勢なんですよね。

Made in 〇〇に騙されるな! ヨーロッパ製のプロダクトも、実は……





その製造能力と開発能力っていうのは他の研磨機メーカーにはないんです。その性能も折り紙付きで、実際にシンイーが部品を作って他社メーカーに供給しているくらいです。名前は出せませんが、名だたるメーカーがシンイーの部品を使っていますよ。
ところが、日本人って中国製品に対する偏見があるので、Made in Chinaって書いてあったら粗悪品って思う人が多いですよね。
でも、それって完全に昔刷り込まれたイメージで、ここ最近の中国製品はシンイー製品をはじめとして良質なものもたくさんあります。
日本の施工業者さんは、それを知ろうとしないだけなんですよね。

僕が使っているハスクバーナというメーカーの研磨機があるんですけど、使っている機種の癖とか使っていて気になる点を聞きたかったのに、そこには別の機種が置いてあって、「こっちを使うといいですよ」って論点をすり替えられてしまったんですよね。

そんなわけで聞きたいことも返ってこなかったので、その研修では消化不良でしたね。
問われる左官の品質。下地と仕上げの分業制ってどうなの?


そもそも研磨仕上げがあまり流通していないですし、下地、左官、内装仕上げと分業体制になっているのはいいですが、それぞれが無責任に自分の仕事領域だけをやっている印象です。ですから、何か問題があったときに相手のせいにするんですよ。
下地屋が悪いとか、左官職人が悪いとかって。


どこかのタイミングで直せばいいだけの話なんですが、予算の関係や手間を考えるとそのままにしてしまい、結局品質の悪い床になってしまう。

下地屋さんの仕上げが悪かったら、どうすれば良くなるか一緒に考えて、共に修復していくような。しかし、残念ながら今の日本は責任のなすりつけあいですよ。



それぞれが愛着を持って床に手を入れていると思いますよ。
若林さんの取り組み。床の施工レベルを引き上げるためにできること



例えば、接着材が弱くて下地と仕上げ材がくっついていなかったり、クラックの補修が表面だけで中が割れたままだったり、廃材からはいろいろなことがわかります。




自社ブランド「研磨魂」にかける想い



しかし、職人としては、作業によって刃を使い分けたり、刃の癖などもあるので、もっと柔軟に刃を変えたりしたいわけですよ。
そこで研磨魂では、どのような研磨機にも対応できるように汎用性の高い寸法や仕様にしました。
日本で展開するので、もちろん日本のJIS規格や安全基準は守って作っているので安心ですよ。


研磨機の刃の一般的な流通方式としては、海外製品だったら間に商社が入りますし、国産でも卸売業者や建材店などが間に入るので、手数料がかかって高くなってしまいますよね。
しかし、研磨魂は直取引にしているので、半額くらいで提供できていますね。原価はもっと安いですよ。




「商社」は必要なのか。欲しいものは自らから取りに行く


これまで商社を通して沢山の資機材を購入してきましたが、自分が本当に欲しいものが手に入らないという歯痒さが常にありました。要はそこなんですよ。

しかし、それではお客さんは離れていきますよね。







少なくとも、僕らの欲しいものを、その人たちが代わりに取りに行っているわけではないんだなって思います。
自分達が売り上げが上がるもの、採算が取れるものだけを売って、僕たちがほしいものとはちょっと違う、僕たちの仕事のクオリティが上がるものではない。
そうなると、僕たちは買わないですよ。逆に自分達で取りに行きますよ。その方が早いし安いし、本当にほしいものがありますから。
モノリスグループは「研磨魂」を応援しています!



ところがそのヨーロッパ製品も中身は中国製だったりするので、わざわざヨーロッパメーカーを買う必要はないですよね。
ですから、安価でも品質の良いシンイーなどの製品をもっと日本に流通させていくべきだと思います。

若林さんとの協業はこれから本格的にスタートだけど、ワクワクする未来しか見えていないよ。(笑)
自分達で左官の未来を本気で変えていきます!
研磨魂について詳しくはこちらまで!

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