【左官屋の世代交代】34歳の新社長誕生!若者が引張っていく組織づくり
大手ゼネコン大規模プロジェクトの左官・土間工事を多数手掛ける、モノリスグループ。
技術者集団の株式会社川村工業では、全国に職人が出張し、世界最先端の技術を提供しています。
未来を見据えた組織づくりが進むモノリスグループでは、
昨年、グループ内の営業・施工管理を行っているモノリスコーポレーション株式会社にて、34歳の松本が新社長に就任しました。
川村工業で長年職人として現場を見てきた、叩き上げの精鋭です。
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日本、止まらぬ「社長の高齢化」
帝国データバンクの調査によると、「日本の社長」が年々高齢化しているそうで…
2023年時点の社長の平均年齢は60.5歳。
前年を0.1歳上回り、33年連続の上昇で過去最高を更新。
社長が交代した割合は3.80%、前年からほぼ横ばいで14年連続の3%台
「団塊の世代」の多くが後期高齢者に達し、事業承継の課題が一層深刻になるといわれている「2025年問題」まで、残すところ1年を切った。
のだそうです…。
2025年問題…少子高齢化というのは毎年何かしらの問題が起こるのですね。
社長が交代する際の年齢は、平均で68.7歳なのだそうで、
建設業界での「営業」という観点で見れば、大元の依頼主である施主の年齢に見合っていれば受注は取ってこられるのかもしれません。
しかし企業は「人の確保と育成」という課題から逃れることはできず、人財採用、育成の観点から見ると、社長の交代が68.7歳というのはいかがなものでしょうか。
建設業の中でも特に職人会社というのは「人」で成り立っています。
そしてフットワークの軽さと機動力が売りになるわけです。若者がどんどん前に出て、次世代を採用し、技術を継承していくことで企業が存続できる、のではないでしょうか?
34歳を社長に任命したモノリスグループの考えとは
ここでは重要なポジションに34歳が就任したモノリスグループの発想、視点をお届けしていきます。
モノリスコーポレーションの社長になった松本は、職人として現場を見てきて、管理することもやってきた。今度はさらに上流の仕事に。それを30代がどんどん前に出てやっていく。
その下にはこれからは外国人のリーダー達が付いてくる。
これを(経営を)、俺とかが前線で「まだできるまだできる」って走っていたらまさにその考えが一番ヤバい!
人間て、どんな立場でそのシチュエーションを体験するかって、大事ですよね。立場が人を変えるといいますか。 早いうちに経験して損することって無いと思います。
新社長はイマ、どんな気持ちでいるのか
どうかご協力をお願いいたします。(笑) 早速ですが、率直な今のお気持ちを教えて下さい!不安だとか、ワクワクだとか、今の松本さんの中には何がありますか?
未知の領域ですから。
今もまだそんなに実感があるわけではないんです。
管理の方は5年くらいですかね。実は、自分の中でも「まだ5年」という意識だったんです。これは10年15年やっていたらその先の自分のキャリアもイメージしていたかもしれないですけど…。
いつも色々考えてるんだなって(笑) 現場にいると、あちこちで忙しい忙しいって声が聞こえるので、業界全体に人が足りていないんですよね。
外国人技能実習生をまとめる日本人リーダーが必要だ
井上さんは今おいくつですか?
36歳でこのパーマをかけました!人生挑戦です!
これからは、松本さんと井上さんのお二人がモノリスグループを引張って行くのだそうですよ!
若い人たちがリーダーになっていく必要性って、井上さんはどう感じていらっしゃいますか?
そういう意味では僕らのようなリーダーは必要だなと思います。
松本と二人でどうやって彼らを育てていくのがいいのかと、よく話をしています。
自分では気が付かないこともあるので、二人で意見を交わせるって大きいですね。
例えばガソリンスタンドに寄った時とか。率先して手伝うこと。相手が日本人であっても、先輩はそういうことを見てるじゃないですか!
ただ車に乗っていれば現場に連れて行ってくれる、寝ていれば現場に着く、ガゾリンも運転手の先輩が勝手に入れるだろうというそんな態度ではチームワークなんてできないんですよね。
そういう所を大事にされているというのが、本当にカッコいいです! ちなみに、井上さんは今どんな業務を担当されているのですか?
最近行っているのは土木の現場です。それから溶接も覚えて現場でやらせてもらったり。
何でもやらせていただきます。お金さえ貰えれば。(笑)
冗談は置いておいて、左官の領域を越えて色々覚えているんです。
というのは左官の仕事で現場に呼ばれて「左官しかやらない」というスタンスでは、これから必要とされなくなると思っています。
お客さまに「来てもらってよかった」と思ってもらうにはどうしたらいいか。
プラスアルファの付加価値を提供できるようになることが大事なんですよね。それが、左官以外でも自分たちが動けるということが一つかなって。
だから現場で溶接やってる人に教えてくださいと頼んで…ということを繰り返していたらこうなっちゃいました(笑)
会社がそういう現場に行かせてくれているというのは、「会社」と「職人さん(井上さん)」が共通認識を持って同じ方向を向いて取り組めているんだろうなとわかります!
井上さんが考える「リーダー像」ってどんな人ですか?
社長を見て育っていますからね!…ね!松本くん、そうだよね!
嫌な上司だったらとっくに辞めてますよ!
川村工業の社長の考え
20代30代はほとんどいない。70〜80代が相当いるね。
そういう高齢の人たちは居てもらわないと困るんだけれど、でも仕事量はこなせないからね。
うちの会社のやり方を覚えてもらう必要があるから。
キレイで早い。
だから工期が無い現場から「助けてくれ」って呼ばれるんだ。
先日の宮古島も終わらないから助けてくれと呼ばれて、間に合わせるために行ったんだ。
まぁ、俺が行けば納めちゃうからね!今年の年末からまた3年間、宮古島で工事始まるんだけれど、その時も「絶対に来てくれ」と言われているよ。
うちのやり方なら日本人1人に対して、技能実習生8人とかでチームが成り立つ。
ぶっちゃけ日本人よりマジメ、時間も守る、アテにできる。
うちには成長し続けられる人しかいないから。
ここまで育てるには時間は何年もかかったけれど、今の俺たちのチームによその会社は勝てないよ。
俺の場合は現場で怒鳴ったりもするからね。
そういう、ある意味パフォーマンスも必要なんですね!
でもその代わり、一人ひとりのことをすごく大事にしているけどね。
出張中も部屋に行って一緒に飲んだりとか、実習生にご飯つくってもらって一緒に食べたりね。
最後に、「左官・土間」✕「人財採用」という話で切っても切れないのが「土間の研磨仕上げ」の話です。
労働環境を改善するための施工法である、という意味で。 やっぱりまだ研磨仕上げってゼネコンさんの間では浸透していないんですか?
もう従来の工法と変わらないのにね
先日のベルギーでの視察はどうでしたか?
海外は機械もデカいけど、人間の身体もデカいから、細かいところを横着するんだよね。
そこを俺とか仲松部長とかがやったら仕上がりは全然違うよね。
そういうところが日本の職人さんのカッコよさだなって思います!
今日はありがとうございました!
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モノリスグループでは、体力があり成長意欲の高い30代現場叩き上げのリーダーたちが、自分たちが組織を担っていくんだ!という自覚を持って着実にその階段を登っています。
そして、企業側がその成長意欲を最大に引き出すための「ポスト」を提供しています。
本人たちは、未来の自分にまだ想像が追いつかない部分もあるようでしたが、目の前に環境が用意されている以上、確実に状況は変化していくでしょう。
今回のインタビューも、多くの建設業の方々にご覧いただきたい内容でした。
建設業界に”新鮮な”希望をもたらしましょう!
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